景福宮に行きたい

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삼각김밥은 경복궁에 가고싶다

韓国ドラマ「恋慕」感想 乙女なロウンとドーベルマンなパク・ウンビン

パク・ウンビン×ロウン

王位継承者だった双子の兄の死により男装して王になる運命を背負った妹の波乱の人生を描いた宮廷ロマンス

ありがちな男装宮廷モノと侮るなかれ


出典:KBS

作品情報

原題 연모(恋慕)
2021.10.11~2021.12.14
KBS

演出・脚本

演出 :ソン・ヒョンウク『内省的なボス』『ピョン・ヒョクの恋』『僕が見つけたシンデレラ~Beauty Inside~
脚本 :ハン・ヒジョン『朝鮮ガンマン』『とにかくアツく掃除しろ!

キャスト

パク・ウンビン / イ・フィ役
『ホジュン〜伝説の心医〜』『ストーブリーグ』『ブラームスは好きですか?

ロウン / チョン・ジウン役
『輝く星のターミナル』『偶然見つけたハル』『先輩、その口紅塗らないで』

ナム・ユンス / イ・ヒョン役
『人間レッスン』『怪物』

あらすじ

王位継承者だった双子の兄弟の死により、男装して王となる運命を背負った女性。自分の正体、そして秘めた恋心を誰にも明かせないまま、波乱の人生を歩んでいく。
恋慕 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイトより

youtu.be





感想

好き度🍙★★★☆☆

パク・ウンビン×ロウン主演
王位継承者だった双子の兄の死により男装して王になる運命を背負った妹の波乱の人生を描いた宮廷ロマンス

2021年「思ってたんと違う大賞」受賞作

思ってたんとだいぶ違う

視聴前に想像していたのとはまったく違うドラマでした。

また男装宮廷ものかー
見る前からだいたいストーリー想像できるわー

どうせキラッキラのロマンス時代劇なんでしょ?

サブタイトルは「トキメキ☆恋慕~恋しちゃった王様~」で決まりですかー?

などと言っていた自分を大いに反省。
全力謝罪致します。

キラキラどころかいぶし銀の落ち着き。

渋く切ないストーリーに、俳優さんたちの深く落ち着いた演技。
男装モノとしての新しい視点など、派手さはないものの地に足についた脚本と落ち着いた演出で、しみじみと味わえる良作です。

※ふんわりしたネタバレが含まれる内容です



思ってたんとちがう①

ストーリーが思ってたんとかなりちがう。

超せつないストーリー。

双子の女として生まれたばかりに、生まれてすぐに存在を抹殺され、権力のための道具として生きざるを得なくなった少女の物語が切ない。

『バレたらどうしよう!ドキドキ☆』みたいなのはほぼなく

兄の代わりを生きなければいけない人生、自分もいつ兄のように命の危険にさらされるかわからない不安、この虚しい人生をこのまま続けていくのかという悲哀が強く、全然キラキラしていない(おもてたんとちがう)


出典:KBS

女性であることがバレないように人を近づけずに孤独に生きてきたフィは、自分の感情を押し殺すタイプのヒロイン(ヒーロー?)

この孤高の人に想いをよせるのがロウン演じるチョン・ジウン。

「恋慕」というタイトルだけあってみんな誰かに恋慕しているのですが。

恋の矢印の向き合わないこと向き合わないこと。

恋の矢印一方通行ドラマ(泣)









出典:KBS

想う相手の矢印が自分にむいていないことを知りつつ、それでもなお想う相手をそれぞれの方法で守ろうとする姿が切ない。

この中の誰かひとりでも幸せになってくれ~!と願わずにはいられない胸の痛くなる物語でした(おもってたんとだいぶちがう)


思ってたんとちがう②

ストーリー以外でも思ってたんとちがうだらけだった今作。
いちばん印象的だったのは男装モノの定番がことごとく打ち破られていったこと。


〈打破〉男装モノの定番①
「男を好きになってしまったと葛藤する主人公」

元祖・男装ものといえば「コーヒープリンス1号店」「イケメンですね」などですが、絶対外せないのが「なんで俺が男を好きに???…でも止められないこの気持ち…」という主人公の心の葛藤(私の大好物の設定)

しかし「恋慕」のチョン・ジウンはちょっと違います。

NO葛藤!
自分の恋心を受け入れるまでの過程に男とか女とか関係ない!

いうよりむしろ「男は男らしく女は女らしく」というジェンダー規範の逆を見せてくるジウン&フィの恋模様。


出典:KBS

かっこいい世子様に頬を赤らめる乙女なジウンくんのあざとかわいいポーズ。
世子様からお菓子を頂いてスキップして喜んじゃったり。

身長190㎝もあるくせにどことなく仔犬感を感じさせるロウン。
かわいくて穏やかで賢いゴールデンレトリバーのような。

しかしヒロインと並ぶと、その身長と立派な体格から男性っぽさも感じられるという点でとても良いキャスティングだと思いました。


出典:KBS

一方、身長163㎝のパク・ウンビンはドーベルマンのような風格でとにかくかっこいい。(どう見ても女の子にしか見えないが???という指摘はしてはいけない)抑えた演技がすてき。

主演のおふたり(ドーベルマンとゴールデンレトリバー)のキャラクターがそれぞれの魅力にあっていて、なるほどな~この脚本演出でこのキャスティングかぁ~と納得でした。


〈打破〉男装モノの定番②
「女性の格好したヒロインに見とれてしまう主人公」

フィが女装するシーンもあるにはありますが、ジウンがフィの女性らしさにトキメくシーンはなし!
(それが女装したフィだと気づかない鈍感なジウンくん…あまりにも鈍感…かわいい…)


出典:KBS

花を愛でる姿も私の目にはかわいらしい女の子にしか見えないのだが。

女装だろうが男装だろうが、女性だろうが男性だろうが、性別に関係なくただ人間としてのフィが好きなんだというジウンの本心が伝わってきます。



〈打破〉男装モノの定番③
「守ってあげるべき弱い女性」

「恋慕」で男装しているヒロインは国家の最高君主。

「実は女性である男装ヒロインを、より強い立場の主人公が守る」という宮廷男装モノの定番展開は一切なし。

忠実な臣下として、王を愛する男として、王を守り支えるチョン・ジウンですが、そこに「守るべきか弱い女性」は存在しません。

「恋慕」は作品全体を通して、ジェンダー規範を強く意識しているのが感じられる作品でした。

「男らしく女らしく」という古式なジェンダー観を取り除いたドラマが時代劇というのが新鮮でおもしろかったです。

女性の身ながら王になり大義を成し遂げるところまで描いたのは、あえて「女性がやり遂げた姿」を見せたようにも思えたり(深読み)


出典:KBS

もちろん強い女性を推奨するような雰囲気はなく、本来の姿で生きたいと願うドーベルマンの想いに胸が締め付けられること数回…

弾けるようなパク・ウンビンの笑顔が余計涙を誘う…

そのあたりのバランス感覚もとても良く、最終回までどうなるかわからないような展開で特に後半にかけておもしろさが加速していく作品でした。




その他に

これほぼ毎回言ってる気がしますが。
韓国の子役の演技の実力がレベチですごすぎる!

特に今回はパク・ウンビンの子供時代を演じたチェ・ヨンビンちゃんの佇まいがとても印象的。

正直、パク・ウンビンはさすがに女の子にしか見えないよな~と思ってしまいましたが(完成された大人の女性なので仕方がない。演技力はもちろん素晴らしかったです!)

チェ・ヨンビンちゃんの成長途中の中性的な雰囲気が男に見えなくもない!

男女の双子のひとり二役という難しい役どころを見事演じています。

(蛇足ですが、チェ・ヨンビンちゃんと一緒に写っているペ・スビンさんが私の中では30歳くらいのイメージのまま止まっていたので、今回ロウンの父親役と知って?!?!??!!?時空の歪みを感ずにはいられませんでした。(2021年現在45歳だそう)


そしてナイスキャスティングすぎたのが、世子を側で世話する内官役のキム・ゴンくん。

成長した内官役コ・ギュピョルとのリンク率100%www


フィが兄と入れ替わった時からずっと守ってきた内官、ソ尚宮、そしてフィの関係が素敵で、この切ない物語の癒しでした。。。

個人的には、特に最終回、ソ尚宮を信頼するフィと同じくフィを想うソ尚宮のふたりの気持ちの繋がりがアツくて(涙)

本当に最終回がとっても良かった。

「恋慕」は後半にむかって良くなるドラマだったので、中盤やや中だるみしますがぜひ最後まで見てほしいドラマでした!

思ってたんとはだいぶちがったけど、おもしろかった。
従来のキラキラした男装モノを期待して見てしまうとやや渋すぎるかも知れませんが、しっとり質感の良質作品でした。

あと、オープニングの韓紙に描いたような雰囲気のアニメーションもドラマの雰囲気にあっていてとっても好きでした!

韓国エンタメのこういうセンスの良さが大好きです♡