15年間の無人島生活を経て、社会復帰を果たした歌手の卵
憧れ続けたディーバになるため、ただひたすらに夢への道を突き進む
出典:tvN
作品情報
原題 무인도의 디바(無人島のディーバ)
2023.10.28〜12.3
全12話
tvN
演出・脚本
演出:オ・チュンファン『あなたが眠っている間に』『スタートアップ:夢の扉』
脚本:パク・ヘリョン『あなたが眠っている間に』『スタートアップ:夢の扉』ウンヨル
キャスト
パク・ウンビン / ソン・モクハ役
『ストーブリーグ』『ブラームスは好きですか』『恋慕』『ウヨンウ弁護士は天才肌』
キム・ヒョジン / ユン・ランジュ役
『メリは外泊中』『プライバシー戦争』『LOST -人間失格-』
チェ・ジョンヒョプ / カン・ボゴル役
『シーシュポス:The Myth』『わかっていても』『魔女食堂に来てください』『社長をロック解除』
エン(チャ・ハギョン) / カン・ウハク役
『バッドアンドクレイジー』『朝鮮弁護士』
あらすじ
15年間の無人島生活を経て、社会復帰を果たした歌手の卵。憧れ続けたディーバになるため、ただひたすらに夢への道を突き進む。
Netflixより引用
感想
無人島に漂流し15年間サバイバル生活をしていた少女モクハが奇跡的に救出され、夢だったディーバへの道をめざす道を描い作品。
「あなたが眠っている間に」「スタートアップ:夢の扉」のオ・チュンファン監督とパク・へリョン作家が3度目のタッグを組んだ本作。
良い意味でも悪い意味でも、このチームらしい作品だなと感じました。
個人的には正直あまりハマれなかったけど、「パク・ウンビンの歌声」この一点だけでも視聴価値がある作品だと思います。
好き度🍙★★★☆☆
※この感想にはネタバレが含まれています。
さぁ なにから書こうか。
無人島、DV、記憶喪失…
変化球が大渋滞でなにから書いてよいのか迷子になっておりますが。
ストーリーを大きく分けると
・モクハは夢を叶えて憧れの歌手になることができるのか。
・ジホは誰なのか。ジホは父親から逃げ切ることができるのか。
この2つがストーリーの柱になるかと思います。
個人の感想ですが、前者については早々に興味を失ってしまい(後述します)主にジホが誰なのかを楽しみに視聴しておりました。逆をいえばジホが誰か確定したあたりからは惰性のながら見、我ながらよく最後まで見たなという(毒)
たぶん、ほぼほぼ、ボゴルがギホだろうと思いながらも「もしかしてボゴルではなくウハクがギホなのでは?」と思わせるのが絶妙に上手で、楽しく翻弄されました。
出典:tvN
モクハが無人島から救出された日にボゴルがモクハに靴をはかせてあげた時点で、もうほぼボゴルがギホだろうと思うわけです。
島で父親から逃げ出したあの晩、モクハに靴をはかせてあげたギホと完全に重なるシーン。ボゴル当選ほぼ確実。
ところが、モクハと同い年なのはボゴルではなく兄のウハクであり、ウハクには子供のころの記憶がないことなどから、もしかしてウハクが…?
いやいや、ボゴルも明らかにモクハのこと以前から知っているようだ…いやしかし…みたいな。
出典:tvN
上手だなと思ったのがキャスティング。
ウハクかボゴル、どちらかががモクハと結ばれるのだろうと予想されるなか、ギホの正体がハギョンでもチェ・ジョンヒョプでもどちらでもありえるなっていう絶妙なキャスティング。
どちらがウンビンちゃんのお相手でもありえるし、2番手でもありえるなっていう。
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また、子犬のような笑顔が売りのチェ・ジョンヒョプがツンデレのボゴルを演じ、よくしゃべってよく甘えるウハクをチャ・ハギョンが演じたのも個人的に好みのツボにはまって大変ありがたかったです。
本当はモクハが心配でたまらないのに、バレないようにできるだけ距離をとって遠くから応援するボゴルのツン顔がたまらん。前半は多めのツンを見せられたぶん、後半の子犬のような笑顔のかわいさが倍増するシステム。
出典:tvN
反対にキリッとしたお顔が素敵なハギョンさんがモクハ大好きオーラだしまくりの愛嬌モンスターなのもたまらん。弟大好き、弟と一緒のお部屋使いたいウハクかわいすぎなんだよ…
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ウハクは両親を”オンマ” ”アッパ”と呼んでくだけた言葉づかいで話しているのに、ボゴルは”オモニ” ”アボジ”呼びで敬語で話していたことなどから、私の予想は
・ボゴルがギホ
・なんらかの方法で美容師夫妻の養子になった
・なんらかの方法で戸籍を実子にして隠れている
・ウハクはボゴルを実弟と信じている
→真実を知ってショックを受ける
だったのですが、予想超える展開
わたしほんとこの家族大好きだった…
チャ・ハギョンさんのInstagramより
ボゴルとアボジが「よく見れば…顔が似てる気が…?」ってふざけて顔を合わせるの、まじで幸せしかなかった…
視聴者さえ薄々気がついている「ボゴルがギホっぽい」という事実にモクハが気づかないことについては、15年の時間が経過したといっても人間が別人になるわけじちゃうしな…と冷めた目で見ていたのですが。
衝撃的な事実なので、落ち着いて聞いてほしいのですが。
落ち着いて聞いてね???
学生時代のギホを演じていたの
ムン・ウジンくんなの気づいてた?
#無人島のディーバ
— おにぎり🍙삼각김밥 (@kyonbokkun0125) 2023年11月30日
ギホの子役やってるのムンウジン君なのまっっっっったく気づかなかった…!!
15年時間が経ったからといってギホが誰か気づかないなんてありえないと思てたけど…あり得るな…pic.twitter.com/tefHP2Z2Aj
「キム秘書はいったいなぜ?」でパク・ソジュン、「サイコだけど大丈夫」でキム・スヒョン、「アスダル年代記」でチャン・ドンゴン、「私の国」でヤン・セジョンの…挙げればキリがないほどたくさんの役の子供時代を演じてきたムン・ウジンくんに、わたし全然気が付かなかったんですよ!!ちょっと落ち着いて!!
シンプルに成長してて気づかなかったっていうのもあるけど、人って髪型とかメガネとかで印象がだいぶ変わるんだなって。
出典:tvN
まるっとメガネくんだった子供時代のギホが成長してチェ・ジョンヒョプになるか?と思ってたけど、彼がムン・ウジンならジョンヒョプになる可能性ぜんぜんありますね。
ムン・ウジンくんもすごい良かったし、パク・ウンビンの子供時代を演じたイ・レちゃんもとっても良かったし、韓国ドラマの子役のうまさが桁違いですごい。
出典:tvN
さて、ここからは「モクハさんディーバへの道のり」について感想を書いていきますが、下げ感想になると思います。このドラマが大好きな人、ごめんなさい。
ディーバって歌姫っていう意味なんですね…
そんなことも知らない私は無人島のダイバーかなんかの話かと思っておりました。
①まずいちばんに感じたのは、モクハが夢中になって追いかける憧れの人、ユン・ランジュの魅力がなさすぎる。なんでモクハがそこまで夢中なのかよくわからないという。
無人島から助け出されたモクハ、これからどうやって生計を立てて行くのか先行き不透明ななか、憧れのユン・ランジュ姉さんに会いに行きます。
あなた今それどころではないでしょう?そんな見通し甘い生き方でよく無人島で15年間生きながらえましたね?という状況のなか、ランジュ姉さんのために精一杯風船をふくらませて応援作戦を遂行するモクハ。
そして、歌えないランジュ姉さんに代わってモクハが裏で影武者になり歌うことになり、ひさしぶりに拍手喝采を浴びたランジュ姉さんが大感動する、というのがモクハとランジュの出逢いなのですが。
出典:tvN
自分の代わりに別人が歌った歌で拍手を受けて感動とか、意味がわからなすぎん?歌い手としてのプライドはないんか?
姉さんのお役に立ててよかったと喜ぶモクハも意味がわからない。
ゴーストシンガーがバレそうになって焦った姉さん、モクハに対して「私の座を奪おうとしてるの?」には意味わからなすぎて一時停止ボタンを連打してしまいました。
②「あきらめない」の方向性が夢見がち
決定的にこのドラマとは性格が合わないと思ったのは、テレビ番組「N回目の全盛期」で、ゴーストシンガーであるモクハと、モクハの代わりにデビューしたウン・モレが対決した時。
出典:tvN
無人島生活で得た教訓を活かしてあきらめずに前に進み続けるモクハの姿がこのドラマの意味であり、「どんな夢もあきらめずに進めば意外な方法で叶う日が来る」というのがこのドラマのメッセージだと思うんですが。
あきらめずにがんばってるのはモクハもモレも同じ。
モクハの代わりにデビューして15年間。たぶんボイトレとかもがんばってきたモレが、負けたわけです。モクハに勝ちたくて15年間あきらめないでここまで努力してきたウン・モレが、無人島で歌どころか生きるか死ぬかだったモクハに負けたわけです。
無人島で15年ひとり生きてきたよりもファンタジーだし、ご都合が良すぎて引いた。
これで「あきらめなければ夢は叶う!」って言われても夢見がちすぎる。
大切なのはあきらめないことじゃなくて、あきらめないで努力するとか、あきらめないで工夫することとか、そっちだと思うよ?
15年間無人島ですごした時間が無駄ではなかったというなら、サバイバル系のバラエティ番組で大人気になってそこから歌手への道が拓けるとか、中身のあるものにしてほしかったな。
モクハが初めて火おこしに成功した時の気持ちとか、漂流ゴミで家をつくった苦労話とか、興味ある。
③ランジュ姉さんの株の話、大歌手になると予言された話、代表との関係など、姉さんまわりの物語はかなり散らかっていたし、結局なにが言いたいのかよくわからなかった気が。
出典:tvN
最後、代表の体調不良からの死亡フラグたった気がしたけど、あの顔面蒼白はなんだったんでしょうか。
ただ風邪ひいたのかな( ◜ᴗ◝ )
ちゃんと見てなかったから大切なエピソード見逃したのかも
以上の理由から、全体的にはあまり好きな作品ではなかった!
でもパク・ウンビンとチェ・ジョンヒョプのケミが良かった!
そして、なんといってもウンビンちゃんの歌声の力がすごかった!
出典:tvN
来年2024年、チェ・ジョンヒョプが二階堂ふみと共演するTBSの日本ドラマがはじまりますが、これでチェ・ジョンヒョプファンになった人には「無人島のディーバ」も良いですが「わかっていても」をおすすめしたい。
韓ドラファンのなかでチェ・ジョンヒョプがなぜ「じゃがいもくん」と呼ばれているかがわかります!