シン・ヘソン × チ・チャンウク
傷つき故郷の済州島サムダルリへ戻ったきたサムダル
ふたたび本来の自分を取り戻していく__
出典:JTBC
作品情報
原題 웰컴투 삼달리(ウェルカム トゥ サムダルリ)
2023.12.2 〜 2024.1.21
JTBC
16話
演出・脚本
演出:チャ・ヨンフン『王の顔』『椿の花咲く頃』『気象庁の人々』
脚本:クォン・ヘジュ『ゴー・バック夫婦』『ハイバイ!ママ』
キャスト
シン・ヘソン / チョ・サムダル役
『ああ、私の幽霊さま』『彼女はキレイだった』『青い海の伝説』『秘密の森』『黄金の私の人生』『30だけど17です』『死の賛美』『ただひとつの愛』『哲仁王后』『生まれ変わってもよろしく』
チ・チャンウク / チョ・ヨンピル役
『奇皇后』『ヒーラー』『あやしいパートナー』『僕を溶かしてくれ』『都会の男女の恋愛法』『アンナマスマナラ』『あなたが願いを言えば』『最悪の悪』
キム・ミギョン / ユ・オソン / カン・ヨンソク / イ・ジェウォン / ペ・ミョンジン / シン・ドンミ / カン・ミナ
あらすじ
同じ年、同じ時刻に生まれ育った幼なじみで元恋人だったチョ・サムダルとチョ・ヨンピル。サムダルはソウルでファッション写真家として活躍していたが、とあるスキャンダルに巻き込まれ、故郷・済州島に戻ってくる。故郷の家族、幼なじみたち、そして元恋人ヨンピルたちとの触れ合いながらサムダルは本来の自分を取り戻していく。
感想
ソウルで活躍していたファッション写真家が事実無根のパワハラ疑惑で都会を追われ、故郷に戻り本来の自分を取り戻していくヒューマンドラマ。
めちゃくちゃ泣きました。
ここ24ヶ月でいちばん泣いたわ。
「海街チャチャチャ」「私たちのブルース」など、島系ヒーリングドラマの中でも断トツに好きなドラマになりました!おすすめです!
好き度🍙★★★★★
※この感想にはネタバレが含まれています。視聴済みの方むけの感想です。
このところあまり期待していなかった作品ほどハマるなとは思っていたんだけど、その説がいよいよ確信にかわってきました。
シン・ヘソンとチ・チャンウクが好きという理由だけで見たドラマだったけど、これは本当に心を激しく心を揺さぶられた良いドラマだったわ。
☑奇をてらわないまっすぐなストーリー
☑笑いと感動と余韻の絶妙なバランス
☑役柄と俳優の魅力がばっちり合っていて魅力爆発
☑主演から脇まで演技力の鬼たち←【重要!】
出典:JTBC
ソウルでファッション写真家チョ・ウネとして活躍していたチョ・サムダルは、事実無根のパワハラ疑惑により記者から逃れ、故郷である済州島サムダルリへ帰ってくる。
「ソウルで失敗して都落ちしたと思われたくない」
「8年前に別れた元カレと会いたくない」
町の人に見つからないよう隠れて過ごすも、そこは口のはやい田舎町。
サムダルの帰郷はすぐに人々に知られることとなるのであった。
出典:JTBC
ドタバタとはじまるサムダルリでの日々はさながら吉本新喜劇かというベタさ(笑
落ちぶれて帰ってきたんじゃないもん!!と強がったり、どうして誰もわたしに本当のことか聞いてこないのかと大泣きしたり。
8年間音信不通だった幼なじみや町の人々とのうざったくて温かい触れ合いが、ボロボロに傷ついた心が癒やしていく…
展開がベタなぶんサムダル役を演じたシン・ヘソンの演技の安定感が光ってたわ。シン・ヘソンの泣きの演技ほんとに好き。泣きだけでも100種類はバリエーションあるもん。
8年前に別れた元カレのヨンピルを演じるチ・チャンウクもこれまたハマり役。
出典:JTBC
好きな女性を一途に追いかけ回してる片思い男なんて、チ・チャンウクが最も得意とするキャラクターじゃないか。サムダルを愛し、故郷を愛し、故郷の人々を愛する好青年。
こんなにも美形なのにネルシャツ着て普通っぽい雰囲気出せるのすごい。
「最悪の悪」で血みどろになって煙草吸いまくってた人と同じ人と思えないわ。「最悪の悪」の次の作品にサムダルリを選んでくれた作品選びのセンスも好き。
ヨンピルがケンチャナ?(大丈夫?)と聞くたびにサムダルの心が溶かされていくのが目に見えてわかって、定番の流れながら癒やされました。やっぱり定番になるにはそれだけの理由があるね。ケンチャナ?のちから。
8年前サムダルとヨンピルがなぜ別れたのか明かされないまま話は進みますが、ふたりとも今も気持ちがあることは明らか。喧嘩も言い合いもほぼ痴話喧嘩。
わかめをぶん投げ合っていちゃつくレベル高めの愛情表現
韓国では、もしかして、わかめをぶん投げたり、わかめでビンタしたりする風習があるのかも(ありません)
新しい恋がはじまるようなトキメキやキュンはあまりないけど、安心感は半端なかったわ。生まれた瞬間から一緒で、離れているあいだも私だけを想ってくれて、いつでも全身で守ってくれる美男だけど気さくな私だけのヨンピルと出逢いたい人生でした。(来世に期待)
出典:JTBC
シン・ヘソンとチ・チャンウク目当てで見た「サムダルリへようこそ」ですが、この感想で書きたいのはサムダルとヨンピルのことじゃなくてですね。
めちゃくちゃ泣いたわ、サムダル母とヨンピル父の物語。
バケツいっぱい泣いた。
ふたりの20年間という時間を思うと涙が止まらなくなる。
別れの理由が「親の反対」という、ある意味韓ドラ定番の理由ではあるのだけど、こんなに悲しい反対は初めてよ。
出典:JTBC
私は人よりも根に持つタイプで恨の感情が強いせいか、ヨンピル父の気持ちに共感してしまい…
「あの時にサムダルの母が欲をださなければ…サムダルの母が海に入らなければ…もしもあの時…」という考えが何年たっても消えない父の気持ちが辛かった。
負の感情を抱えて生きるってしんどいのよ。
これは悲しみを怒りに置き換えることで生きてきたヨンピル父が、負の感情からようやく解放される物語。
ヨンピル父の悲しみもさることながら、サムダルの母コ・ミジャの20年を思うとまじで嗚咽とまらん。
出典:JTBC
頑固で威厳に満ちているように見えた母が、家では絶対的権力者、海へ出ればサムダルリ海女会長として尊敬を集めるミジャが、ヨンピル父の前では罪人のように生きてきたのよ。親友を失った悲しみと後悔を抱えながら。
ヨンピルにオンマと呼ばれるたびに親友のことを思い出しただろう。
互いに母親代わりになるという亡き親友との約束を守り、ヨンピル父からどんなに冷たくされても、離れずに隣の家に住み続けたミジャの長い時間。
親友の名前を口に出すことさえためらって、自ら罰を受けるかのように生きてきたミジャ。
そんなミジャがはじめてヨンピル父に大きな声をだした時の、足元を震わせながらだした勇気と心の叫び。まじで泣いた。いまこれ書きながらまた泣いてる。
出典:JTBC
この時にミジャが絞り出した言葉がごめんなさいや許してくれではなくて
「私だってミジャに会いたい」
亡き親友への恋しさを吐き出して泣くミジャの姿…もう…泣く…
出典:JTBC
このキム・ミギョンさんの演技がほんとにたまらんかったわ…もう泣くしかできない…
長い間、罪人のように暮らしてきたミジャに勇気を出させたのが、サムダルとヨンピルを幸せにしたいという母親の気持ちだったのも泣いちゃう。(泣くしか言ってなくて語彙力の敗北)
「娘を悲しませる母親から変えるんだ(自分が変わらなければ)」とミジャに決意させたという意味で、パン・ウンジュと充電器は良い仕事をしたのでは。
娘を泣かした奴に酢をぶっかける海女会長コ・ミジャさん。
ミジャが堂々とした母であればあるほど、ヨンピル父の前で息を殺して生きている姿が切なく感じるのよね。
ヨンピルとサムダルの言葉に昔の自分と妻の姿を投影させて、ようやく自分の身勝手さに気づくおじさん…
自分の感情に囚われてまわりが見えなくなっているヨンピル父の気持ちを解放してくれたのは、結局亡くなった妻への愛情で
また泣く…
出典:JTBC
妻を失った悲しみを怒りに変えて耐えてきて、本人もこれはちがうとどこかで思いながらも感情を止められなかったんだろうなぁ。
「おまえたち 愛し合え」でまた大泣きしたわ。
正直40を目前にした大人(設定38歳)が親の許可なんてなくても交際できるし、例えば「よくおごってくれる綺麗なお姉さん」の母親みたいな意味不明な理由で子供をコントロールしようとする親だったら逃げてふたりで幸せになることもできると思うの。(っていうか、あんな親なら逃げた方が良い)
でもそれをせずに、何度も話をして、気持ちを伝えて、届かなければまたちがう言い方を探して、「もっと僕たちを見てほしい」「子どもたちを見てほしい」とヨンピル父を閉じ込められた場所から連れ出そうとして全力を尽くしたヨンピル、サムダル、そしてミジャ。
もう別れるとか付き合うとかだけじゃなくて、ヨンピル父の止まった時間を再び動かすための『おじさん救出大作戦〜あの優しいおじさんに戻って〜』なのよ。
出典:JTBC
ようやく正気に戻ったおじさん、ごきげんにサムダルの写真展の手伝いしてて、都合がいいなと思うけど全然許す。
これからも恨む気持ちが湧いたり、悲しみをぶつけたくなる時も来るかもしれないけど、その気持ちとうまくつきあっていってほしい。お義母さんがそうだったように。
それにしても、プ・ミジャとコ・ミジャ、ふたりのミジャさん。
息子には推しの名前をつけて、娘には町の名前をつけるなんてずいぶんご機嫌な少女たちで笑っちゃう。(サムダルリはサムダル里なので、町じゃなくて里の名前か)今のコ・ミジャからは想像もつかないほどキャピっててそれもまた笑えるw
SEVENTEENのドギョムによってカバーされたチョ・ヨンピルのヒット曲「단발머리」(邦題:おかっぱ頭)がテーマ曲のように使用されていますが、ただの懐古趣味なイメージソングだと思っていたので、コ・ミジャが亡き親友を思い出すシーンで本家チョ・ヨンピルさんのタンバルモリが流れた時にはグッときました。
ミジャさん、テレビからチョ・ヨンピルの音楽が流れるたびに泣いたんだろうなあ。
↓ ↓ こちらはSEVENTEENドギョムver の「단발머리」 ↓ ↓
この曲は映画「タクシー運転手〜約束は海をこえて〜」の冒頭でも流れた時代を代表する歌謡曲なので、ミジャさんたちと同世代の韓国のお母様方は自分たちの青春時代を重ねてご覧になったのではないかしら。
その他のOSTもチョ・ヨンピルさんのヒット曲をカバーしたものが多くあって徹底ぶりがすごいわ。
サムダルと一緒に済州島に帰ってきた姉と妹の恋もよいエッセンスになっていて、特に財閥の元嫁の姉と元夫のエピソード好きでした!
ヤン・ギョンウォンさん味がありすぎるのよ。
このヤン・ギョンウォンさん、多田かおる先生の名作「イタズラなKiss」に出てくる琴子大好きな金ちゃんこと池沢金之助に雰囲気が似てて、勝手に金ちゃんって呼んでた。
そして38歳にもなってアジトに集合な!とか言っちゃてる永遠の小学生、ゴレンジャー。優しくて苦労人のサンド、口が羽のように軽いが憎めないギョンテ、唯一の既婚者で名前オチのチャ・ウヌ。そしてサムダルリの人気者ヨンピル。
サンドとヨンピルの友情の描き方がとっても優しく爽やか。
空気の読めないワン・ギョンテはお馬鹿だけどゴレンジャーが大好きなのが伝わってきて、ほんと小学生。充電器!充電器!言いまくってるのも騒がしくて好きだった。アジトで「サムダルが帰ってきてくれてまた会えてほんとうにうれしいんだ」と一所懸命弁明するシーン、イ・ジェウォンさんの演技が本当に素晴らしかった。泣いた(また)
このドラマ、主演から助演まで、演技がとんでもなく良かったわ。
出典:JTBC
その他、言い残しておきたいことは
☑四輪バイクの心強さよ。
☑それもはや天気の写真じゃないというツッコミはしてはいけない。
☑充電器(チョン・ジュンギ)の手のひら返し。こいつは出世しそう。
☑妹以外全員ソウル行っちゃってサムダルリの過疎化が気になる。
☑まさか全員ソウルで大成功するという大円団。ワン・ギョンテまさかあんたまで。
『帰る場所があることで私たちは安心できる』
最後には海女軍団が海にむかって歩いているだけでびしょびしょになるほど泣かされた。サムダルとヨンピルがいちゃついてるだけで泣いてた。
2024泣いたドラマNo1になるのは間違いないです。
最後まで呼んでいただきありがとうございました🍙