1995年にTBSで放送された日本ドラマ「愛していると言ってくれ」のリメイク
チョン・ウソン × シン・ヒョビン
出典:ENA
作品情報
原題 사랑한다고 말해줘(愛していると言ってくれ)
2023.11.27〜2024.1.16
ENA / GenieTV / Disney+
16話
演出・脚本
演出:キム・ユンジン『その年 私たちは』
脚本:キム・ミンジョン『雲が描いた月明かり』『恋するジェネレーション』『アンナラスマナラ-魔法の旋律-』
キャスト
チョン・ウソン / チャ・ジヌ役
『私の頭の中の消しゴム』『無垢なる証人』『パダムパダム』『藁にもすがる獣たち』
シン・ヒョンビン / チョン・モウン役
『自白』『賢い医師生活』『あなたに似た人』『財閥家の末息子』
あらすじ
主人公は、聴覚障害のある44歳のアーティスト チャ・ジヌと、売れない役者志望の33歳チョン・モウン。済州島を舞台にした映画でエキストラとして働いていたモウンはジヌと出会い、惹かれていき、手話やテキストを通して会話を続けてゆっくりと繋がりを強めていきます。 やがてジヌも、モウンに対し真の愛を感じるようになります。ジヌとの距離を縮めようとあらゆる努力をするモウンですが、言語、障害、芸術の違いを克服するのはそれほど簡単ではないと気が付いたころ、ジヌの元カノ、ソン・ソギョンが現れて――。
Disney+より
感想
1995年にTBSで放送された日本ドラマ「愛していると言ってくれ」のリメイク作品。
主なストーリーはそのままに、静かで優しい時間が流れるまったくちがうドラマになっています。
チョン・ウソンさんが版権を購入し長い間制作の時を待っていたというだけあって、原作へのリスペクトもあり、かつ今の時代にそった繊細で美しいドラマでした。
「その年私たちは」のような作品が好きな方におすすめです。
好き度🍙★★★☆☆
※ネタバレありの感想です。
ぜんぜん関係ない話で恐縮なのですが、昨年末に「LOST -人間失格-」という韓国ドラマを見まして。
そのなかのリュ・ジュンヨルがとてつもなく色気がすごくてですね、私は彼を見て「愛していると言ってくれ」の豊川悦司を思い出したわけです。
リュ・ジュンヨルが醸し出している色気と「愛していると」の豊川悦司の色気がとても似ていたから。
そんなタイミングで韓国版「愛していると言ってくれ」が配信されたため、完全に豊川悦司脳で再生ボタンを押したんですけど
まったくちがうドラマだったわ
︎︎︎︎︎︎☑美しい音楽と感性的な穏やかな映像
☑豊川悦司より色気控えめなチョン・ウソン
☑シン・ヒョンビンは賢い医師生活以来の当たり役
☑聴こえる世界と聴こえない世界は交差できない世界なのか
オープニング映像から感じる優しい世界…
監督と音楽監督が「その年 私たちは」と同じ方が担当されたというだけあって、雰囲気がとても似ていています。
色気たっぷりの気難しい画家だった豊川悦司は、優しく紳士的なチョン・ウソンに。
きゃぴきゃぴの常盤貴子は、思慮深く芯の強いシン・ヒョンビンに。
心の流れを丁寧に描いた、思考の成熟した大人のロマンス
最低な感想を言いますが、個人的にチョン・ウソンさんにはあと5年はやく撮ってほしかった…
ご本人も50歳でロマンスをやることへの負担感について語ってらっしゃって、自分が演じなければモウン役のキャスティングも選択肢が広がるという葛藤があったようですが、私としてはチョン・ウソンにあと5年はやく撮ってほしかった。
かっこいいんだけど、素敵なんだけど、あと5歳はやく撮ってくれたらもっと良かった気がする。(個人的な意見です!!!)
それでもあまり年齢を感じずに見られたのは、シン・ヒョンビンとのケミが良かったこと、シン・ヒョンビンの落ち着いた魅力とキャクターの良さがあってたんだと思う。
初めて自分を「俳優」と呼んでくれたジヌへモウンが想いをよせて
自分を理解しようと努力してくれたモウンに惹かれていくジヌ
一歩一歩 慎重に近づいては離れて
少ない言葉の一言ひとことが重くて余韻があって
優しい空気の中で物語が進みながら、聴覚障害者が抱えるつらさについて考えさせられる部分もあり、前半は夢中になって見ていたんですが
後半に行くにつれて
登場人物だれにも共感できなくなるという
この人たちが出てきたあたりから歯車が狂いはじめたわね。
過去の話はやめてくれと言われてるのに何度も現れ、一方的に私のお気持ち表明をする元カノ。原作では麻生祐未が演じてたけど、キム・ジヒョンさんぴったりすぎてキャスティングが良い。
キム・ジヒョンさんは北川悦子さん原作ドラマ「空から降る一億の星」の韓国リメイクで作品でも強烈な役柄で出演しています。北川悦子作品との相性が良いわ。
男の方も男の方で、たびたび現れて俺のお気持ち表明&過去の謝罪要求…
このおふたりがなかなか粘り強いというか、しつこい。
元カノの存在が不安のタネになってモウンとジヌの関係がギクシャクするのは理解できるんだけど、モウンがそれを「耳が聞こえないことが原因」みたいに考えるのが理解できず、よくわからなかったわ。
モウンは自分がどう思っていて何に苦しんでるのかはっきりとジヌに伝えず、ジヌも具体的な話をせずにただ謝って終わらせてしまう、もどかしいふたり。
「文章でけんかするのもアレだし…」とか言ってないで、もっと自分の思っていること考えていることを相手に伝えないといけないんじゃないのかな。聴覚障害があろうがなかろうが、それが一緒に生きるっていることなわけで。
文章で喧嘩するしか方法がないならすれば良いのに。
それがジヌとの意思疎通の方法なら文章でも手話でも喧嘩したらいいのに。
まったく大丈夫じゃない顔で大丈夫って言うモウンがもどかしくて、曇った表情で「心が通じ合ってる」とか言われても…それは大人の対応なのではなく、逃げです。
出典:ENA
ついにはマーケットでキャベツを探しに行ったらジヌが先に行っちゃって寂しさを感じたり、音楽をかけてくれたのに笑ってバレないように消したり…
先に行っちゃったら「ちょちょちょ!ちょっと待ってーーー!!!」って追いかけて笑いかければいいし、音楽聴きたくなかったらいらないって言えばいいし、音量大きかったら「デカっ!!!音量がwwww」って笑ってボリューム下げればいいんじゃない?!
ジヌが心の内を話してくれないことに感じる心の壁、それが聴覚障害のせいだと感じるに至るまでの描写がなさすぎて、モウンが豹変したみたいに感じちゃったわ。
ジヌもジヌで、モウンが自分といて辛そうだと思ったらそれを取り除く努力もせずにすぐに別れを切り出しちゃって。
豊川悦司がホームで叫ぶシーンが強烈に心に残ってるので余計かも。
しつこい元カノにはキレて大きな声を出すのに(手話だけど私には大声が聞こえた)モウンには感情を見せないのは愛情なのか。
これが相手を思いやる「大人の恋愛」なのかもしれないけれど、だとしたら私は大人の恋愛よりも「愛してるから一緒にいたい」をぶつけ合う幼稚な愛のほうが心を動かされるなと思いました。
好きだったのは、子供時代からずっとジヌの隣にいた親友ギヒョン。
ジヌがギヒョンとふざけたり軽口を言い合うのが見ていてホッとした。
奥さん役の女優さんの手話と表情があまりに自然で、実際聴覚障害のある方なのかと思って少し調べましたが情報を見つけられませんでした。
聞こえる夫と聞こえない妻の夫婦、ジヌモウンの未来への希望でもあったわ。
その他、言い残しておきたいこと
☑美術を習う高校生たちかわいくて癒やし
聴こえないのが当たり前の世界に飛び込んだ聴こえる男の子良き
☑気持ちは秘めて言葉にしない男友達の尊さ
モウンは彼といるときの方が幸せに見えたけど
☑チョン・ウソンの学生時代役にペク・ソンチョル!雰囲気似てる!
リメイク作品は原作への愛情があるだけに手厳しく見てしまうのかも。
「アンナチュラル」も韓国でリメイク予定とのこと…緊張します(誰)