景福宮に行きたい

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삼각김밥은 경복궁에 가고싶다

韓国ドラマ「プライバシー戦争」感想

コ・ギョンピョ除隊後の復帰作

韓国は今、プライバシー共有の時代でありプライバシー戦争の時代なのだ___


出典:jtbc

作品情報

原題 사생활(私生活)
2020.10.7〜2020.11.26
JTBC

演出・脚本

演出:ナム・ゴン『テバク』『愛の温度
脚本:ユ・ソンヨル

キャスト

ソヒョン / チャ・ジュウン役
『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』『時間』 映画『モラルセンス

コ・ギョンピョ / イ・ジョンファン役
『応答せよ1988』『嫉妬の化身』『シカゴライター』『月水金火木土

キム・ヒョジン / キム・ヨンミン / パク・ソングン / ソン・ソンミ / テ・ウォンソク

あらすじ

データプライバシーなどもはや存在しない世界で、欲に目がくらんだ大企業と国家が企てた監視計画。それを暴けるかどうかは、この詐欺師たちの腕次第。
Netflixより

youtu.be




感想

コ・ギョンピョ祭り開催中です。
コ・ギョンピョ除隊後の復帰作「プライバシー戦争」

1,2話で最高におもしろいドラマ見つけてしまった!と大興奮したのですが、3話以降は急降下。せっかくおもしろい題材なのに調理方法をまちがえてしまったな~というもったいないドラマでした。

私の興奮返せ???

下げ感想多めのレビューですが、よろしければおつきあいください。

好き度🍙★★★☆☆

※ネタバレありの感想です。

出典:jtbc

プライバシー共有の時代でありプライバシー戦争の時代なのだ

詐欺師夫妻の元にうまれたチャ・ジュウン(演 : ソヒョン)
詐欺を「ドキュメンタリー」、詐欺師を「俳優」と呼び、詐欺を生業とする両親のもとに育ったジュウンは、自分はまっとうに生きようと決意するが、父が別の詐欺師に騙され逮捕されたことをきっかけに、自身も詐欺の道に進むこととなる。


出典:jtbc

父をはめた人物への復讐を誓い、詐欺師として訓練と経験を積むソヒョン。そして、とうとうソヒョンの元に宿敵チャン・ボッキの情報が転がり込む。

チャン・ボッキを騙すため、これまで磨いてきた”ドキュメンタリー”制作の技を存分に発揮するジュウンだった。


出典:jtbc

しかし、より上手のボッキにしてやられたジュウンは、逆に刑務所に送り込まれて1年5か月の刑務所生活を送ることになる。


もう2度とドキュメンタリーはやらない…


そう思うジュウンだったが、詐欺の師匠であり、兄のような存在のハンソンの依頼を断りきれず、怪しげなUSBファイルの受け渡しを引き受けてしまう。


出典:jtbc

ファイルの受け渡し場所にあらわれたのが、ようやく登場のコ・ギョンピョ演じるイ・ジョンファン。

以前バーで声をかけられたことのあるジョンファンとの再会に驚くジュウンだったが、それをきっかけにふたりの距離は近づき、互いに惹かれあいふたりはまもなく交際をはじめる。


出典:jtbc

詐欺師である自分を隠して交際をすることに罪悪感を感じつつも、ジュウンはジョンファンとの幸せな未来を諦められない。

「隠し通せる、きっとバレないようにうまくできる」
本当の自分を隠しとおす決意をしたジュウンはジョンファンのプロポーズを受け入れ、ふたりは結婚式の日をむかえる。

しかし結婚式当日、ジョンファンはあらわれず姿を消してしまったのだった___



ここまでが2話です。
なんというスピード展開!!!

「ジョンファンは何者なの!?」
「ジョンファンは初めからジュウンを騙すつもりだったの!?」
「ふたりの出逢いは計画されたものなの!?」

疑問符と感嘆符が頭の中をかけまわりワクワクがとまりません!

しかし、悲しいことに3話以降は急降下の芋展開。感嘆符が消え去り疑問符だけが残りました。

素人の感想ですが、感じたことを以下にまとめます。


整理されていないノート

わたくし小学4年生の息子がおりまして。
息子のノートが本当に見づらいんです。プリントはあるべきページに貼られていないし、乱雑に書かれた矢印の先がどこをしめしているのかもわからない。ページを飛ばして書いたり、突然もどったり。

「プライバシー戦争」の3話以降を見ながら、ふと息子の国語のノートを思い出していました。

整理されていないノートは書いた本人しか解読できません。
なんとなくわかったような気で見終わったけど、まったくスッキリしない「プライバシー戦争」というノート。


どのあたりが小学生のノートなのか具体的に考えてみました。

【①時系列のいったりきたりが細切れでわかりにくい】

姿を消したジョンファンの過去があきらかになる過程で、時系列が行ったり来たりしますが、それがいつの時点のシーンなのかが実にわかりにくい。

・会長が自殺にみせかけて殺害された秘密の帳簿事件
  ↓  ↓  ↓
・チャン・ボッキたちがジュウン父を騙した教会の事件
  ↓  ↓  ↓
・帳簿ファイルの受け渡しで知り合いジュウンとジョンファンが交際
  ↓  ↓  ↓
・ジョンファンが姿を消してからの現在

まとめるとだいたいこの4時点のうちのどれかなんだけど、ん?これはいつのエピソードかな?と一旦停止で考えること数回。時系列行ったり来たりする系のドラマは、いつの時点のシーンなのかが直感的にわからないと、物語へ没入できないんですよね…

明らかに髪型を変える、ファッションで雰囲気を変える、ポイントとなる時点を少なくするなど工夫がほしかったです。


【②詐欺師たちのだまし合いが皆無】

私が勝手に期待していただけなのですが。
2話までのドキュメンタリーを撮る(詐欺を働く)詐欺一家の様子や、詐欺の訓練にいそしむジュウンの姿から、ソ・イングクの「38師機動隊(元カレは天才詐欺師)」やヒョンビンの「スウィンダラーズ」のような、詐欺師たちのだまし合い的なストーリーを期待していたのですが。

詐欺作戦の応酬とか一切なし

権力者の攻撃をじり貧でかわし逃げる主人公たちの図

大企業や権力から逃げる弱者の物語?
カタルシスを感じるよりむしろ鬱憤が蓄積されました。


【③登場人物の整理ができてない】

登場人物を作りすぎちゃったのが原因かな?

モブキャラから大物キャラまで登場人物つくりすぎ。

最終回にハンソンが知らないおじさん連れてきて、どちら様かなと思っていたらUIの偉い方だったっていう(たぶん初登場)モブキャラが多すぎてノートが整理されてないんですよ。


そして、主な登場人物の描写不足。
モブキャラ登場させてる時間があったら、もっとメインキャラの背景しっかり描いてください。感情移入したりワクワクしたいんだよ私は。

特にメインキャラのはずのジョンファンが、ぜんぜん「できる情報員」じゃなくてびっくりしました。


出典:jtbc

個人情報を集める企業の裏仕事をしているジョンファンが、ミッションの中で知り合ったジュウンのことをなにも調べずに結婚したのはなぜですか?恋に溺れて盲目になっちゃったんですか?そんな粗い仕事で情報員つとまるんですか?

ジョンファンには、ジュウンの過去も正体も承知の上で結婚していてほしかったです。もっとできる男でいてほしかったです。


そして、ストーリーのキーとなるチャン・ボッキとエドワード・キムさん。
このふたりの心理描写というか、心の葛藤というか、クッパにまつわる心の傷とか、そういうのがもっと欲しかった!!!


出典:jtbc

なんなら、ジュウンとジョンファンの恋よりも、こちらのふたりの関係の方が興味深かったわ。

キム・ヨンミンさんは愛すべきダメ男が本当に似合いますね。
笑顔が素敵な撮影オフ写真を置いていきます。


出典:jtbc

そして、私の大好きなイ・ハクジュさんが正義の刑事役で出演しているのですが、すごく惜しい!ハクジュさんはかっこいいんだけど!ほんと惜しい!


出典:jtbc

政界から検察、警察まで権力者の手がまわっている腐敗した社会で、警察としての矜持をもって組織の腐敗とたたかう刑事。コンビニでビールを飲む姿もかっこいい。

なのに、本当に普通なの。本当に普通なんです。見せ場がないんですよ…


登場人物だれもかれも、もうちょっと深堀すれば光りそうなのに。

不要なことまで書いて要点がわからなくなってしまったようなノートみたいに、とにかくいろいろ書き散らかして魅力ポイントが薄れちゃったな…という印象です。

プライバシー戦争とは

さらに、いちばんの問題点は、「タイトルとノートの中身があってない」こと。

プライバシー戦争の原題は、사생활(私生活)。
日本語と同じ意味の私生活でもあり、「プライバシー」という権利の意味合いで使われることも多い言葉です。

各話の導入部で語られる

プライバシーを共有しなければ失敗した人生かのように感じさせる世界で、私たちはそれを共有し、時に奪い、収集し分析し利用する。韓国は今、プライバシー共有の時代でありプライバシー戦争の時代なのだ

という短いセンテンスには、ドラマの核心やメッセージが込めらえてます。


込められてると思うでしょ?



ふつう込められてるよね?



それがぜんぜんプライバシー戦争してないからびっくりしちゃいました。


個人情報を収集していた企業が対立相手ではあるものの、個人情報を収集したり利用したり、ましてやプライバシー戦争なんて全然してないのよ。

先述の「詐欺師たちのだまし合いが皆無」の繰り返しにはなりますが、導入部のナレーションやタイトルからして、詐欺師たちの個人情報を使った情報戦があると思うじゃないですか。

1000歩譲って、情報戦なくてもいいけど、せめて私生活(プライバシー)のあるべき姿的な、なにかメッセージ性のひとつやふたつないと、これもうなんでこのタイトルなのか意味わかんねぇなってなってしまいます。

思わせぶりなタイトルで、2話まで話ぶちあげて、ぜんぜん中身がないっていう。

2話までの私の興奮返せ???なドラマでした。



ビジュアルの勝利

わぁ~
ちょっと悪口言いすぎたから、今度はプライバシー戦争の好きなところを言っていくね☆


まずは、ソヒョンのビジュアルが最高に好き。

少女時代のマンネ(末っ子)であるソヒョンさん。
個人的には今年2022年のNetflix映画「モラルセンス」のソヒョンがすごく良かったのですが、それに匹敵するほどソヒョンのイメージとかけ離れた雰囲気。

出典:jtbc

見て、この育ちの悪そうな感じ( ◜ᴗ◝ )

「ムショ仲間(방 동기)だけど?」と気だるそうに答えるソヒョン痺れます。治安の悪そうな女は大好きです。



そして、仕事のできない情報員ことジョンファンさんもビジュアル方面ではすごく良い仕事してます。

出典:jtbc


これまでコ・ギョンピョかっこいいと思ったこと一度もなかったんだけど、初めてかっこいいと思ってしまった(ファンの方ごめんなさい)

特に、ジュウンの前で緊張をゆるめた時の表情がなんともいえない優しい表情で好き。


出典:jtbc

メイキングを見ていると、コ・ギョンピョさんは共演の方と積極的にイチャイチャしにいくスタイルのようで、見ていてとても幸せな気持ちになります( ◜ᴗ◝ )

ソヒョンの肩に毛布をかけてあげたり、バイクからお姫様抱っこでおろしてあげたり( ◜ᴗ◝ )

ドラマ本編よりメイキングの方が楽しめました。

出典:jtbc

超蛇足ですが、ソヒョンは2018年のドラマ「時間」で共演相手に恵まれず辛い思いをしたので、共演相手にかわいがられている姿を見ると、良かったね!!!と姉目線でうれしいです。



劇中のキャラクターでいちばん好きだったのは、ジュウンの詐欺の先生であり、おじさんであり、オッパでもあるハンソン(ワンハンド)
演じるのは第2のマ・ドンソクと言われているテ・ウォンソクさんです。


出典:jtbc

足抜けしようとするジュウンに仕事をさせるある意味悪い奴ではあるんだけど、いつも側でジュウンを見守り、励まし、元気づけてくれる、体格の良いおじさん。


出典:jtbc

家も用意してくれて、借金取りからも守ってくれて、お肉も焼いてくれて焼酎も用意してくれる自分のこと大好きなおじさん(最高)

花柄レースのエプロンがとってもお似合いです!!!


出典:jtbc

ジュウンに直接気持ちを伝えるわけではないけれど、全身からあふれでるジュウン大好きオーラ。



自分をめぐって争うジョンファンとおじさん。
やめて…わたしのために争わないで…

(もっとやれー)


出典:jtbc


特にだれかに勧めたくなるほどのドラマではなかったけど、ソヒョンギョンピョの美しさ、テ・ウォンソクさんの再発見という点ではおもしろい作品でした。


Disneyオリジナルでコ・ギョンピョ出演の三池崇史監督作品「コネクト」が配信開始されましたね。

もうしばらくコ・ギョンピョ祭りは続きそうです。