出典:Kakao TV
作品情報
原題 이 구역의 미친 X(この区域の狂ったX)
Kakao TV
2021.05.24~Kakao TVにて配信開始
演出・脚本
演出:イ・テゴン
脚本:アギョン
キャスト
チョンウ / ノ・フィオ役
『最高です!スンシンちゃん』『応答せよ1994』
オ・ヨンソ / イ・ミンギョン役
『猟奇的な彼女』『花遊記』『欠点ある恋人たち』『チーズ・イン・ザ・トラップ(映画)』
あらすじ
家が隣同士で、かかりつけの精神科医も同じ2人の男女。関わりをもたずにいる方がお互いのためなのに、なぜか事あるごとに顔を合わせる羽目になり...。
引用:Netflix
予告動画というよりもほぼイメージムービーですが、ドラマ視聴前と視聴後では見た時の印象が変わると思います!
けっこう好きです、このイメージビデオ(古)
「このエリアのクレイジーX」感想
好き度🍙★★★★☆
※ネタバレあります!ご注意ください!
怒りの感情をコントロールできない「憤怒調節障害」の男と、強い不安感に襲われる「強迫性障害」の女。そりの合わない男女の笑えて泣けるラブコメです。
見終わってみると、韓国ドラマにしては短い30分×13話の短い中に、ラブや笑い、社会派要素もあり、生きづらさを抱える人たちへの温かい応援も感じられて、とても良いドラマでした。
が!しかし!
1話目がけっこうパンチ強かった…
スタートそうそう、大声で怒鳴り散らしているスレギオッパ(※)とけっこうハードで緊迫したトイレネタ。
成人した息子のパンツを洗いながら「この子は寂しすぎて漏らしたのよ!」「占い師が言うにはこの子は火の気運が強いから水の気の女性が合う」と熱を込めて語る母。
「おまえは生まれた時から気持ち悪かった!」と声を荒げる父。
我のパンツを手もみする母を見つめるスレギオッパ。
スレギオッパが粗相を……!と息をのむ私。
応答シリーズ第2弾、Ara、ユ・ヨンソク出演の「応答せよ1994」でチョンウが演じた役名。成績トップの天才医学生だが、私生活がとにかくだらしないことから「スレギ(ゴミ)」と呼ばれている。性格は全然スレギじゃない。
ファンの多い作品なので、今回の作品が発表されるとSNSではスレギオッパが!!と騒然となりました。ちなみに、私はユ・ヨンソク派でした(^^)/
一方、不安感が強く被害妄想気味の「強迫性障害」の女、ミンギョンも、雨の中で黒い傘に黒いサングラス、「イカレた女だと思って誰も近づいてこないように」と頭には生花を指して歩くなかなかのクレイジーX(しかしかわいい)
イカレた女のトレードマークであるはずの頭にささった花が、オ・ヨンソのかわいらしさのせいで、シンプルにかわいらしい髪飾りに見えてしまったけど、それはしょうがないです。かわいいから。しょうがないです。
出典:Kakao TV
被害妄想の強いミンギョンがスレギオッパフィオに尾行されていると妄想を膨らまし、自分を変質者にしたてようとするミンギョンの様子に怒りを抑えられないフィオが激キレ。
「人を怒らせる女」VS「怒りを我慢できない男」の戦いのゴングの鐘がなります☆カーン
初めは精神障害をネタに笑いにしているようで、ちょっと笑えない気もしましたが、そういう意図がないことは続けて見ていればわかります。
同じマンションの隣の部屋に住んでいて、通っている精神科も一緒ふたり。
距離を置こうにも動線が一緒でなにかとかかわるうちに、徐々にふたりの距離が近づいていくのですが。
怒りの原因を近づけたらダメだと思いながらも、些細なことで過剰に不安がるミンギョンをほっておけずに助けちゃうフィオがどんどんかっこよく見えてくるから、これ不思議。
1話でう〇こ漏らしてた人ですよね?
ぶっきらぼうに見えて心の優しい男なんだよ…
スレギオッパは…(だからスレギオッパではない)
いつも守ってくれて味方になってくれるフィオの存在がミンギョンの心を少しずつほどいて、彼女の心とサングラスが真っ黒から明るいものに変わっていく様子に癒されます。ヒーリング効果あり。
出典:Kakao TV
なかでも、キンパ屋さんでフィオが「俺は味方だから」といって手を差し出すシーンがとても好き。
「握った手を写真に撮れ」「おまえの好きな証拠を残せ」と言って、すぐに不安になってしまうミンギョンの特性もわかったうえで味方なんだと伝えるところ。
たったひとりでも自分の味方をしてくれる人がいる、そのことが大きな力になるというテーマは「椿の花咲く頃」で感じたものと近い気がしました。
ここのオ・ヨンソの演技の素晴らしさ!
嬉しさと安心と感動とが入り混じった、でもかすかに不安が残っているようなこの表情…
出典:Kakao TV
ストーリー展開としては
・警察官停職と病気のきっかけになった麻薬事件の捜査線〈フィオライン〉
・ミンギョンを自分さえ信じられなくさせた既婚者クズ野郎〈ミンギョンライン〉
の二本立てです。
どちらかというとミンギョンラインの方が分量多めで、衝撃的だったのが、既婚者うそつきDVクソ野郎を演じていたのが、「Sweet Home~俺と世界の絶望~」で国語教師のクリスチャンを演じていたキム・ナムヒさんだったこと…!
「Sweet Home」でキャラ堕ちして「恋に落ちた」とまで言った男がこんなクズ男になってしまうなんて(涙)
キム・ナムヒさん、演技お上手です!!!(涙)
このドラマ、フィオとミンギョンの恋愛パートももちろん良いのですが
(「やろうとしてたこと続けて」は非常に良かった♡)
このエリアのクレイジーXたちが「まとも」になっていくドラマではなく、まともに見える人たちもどこかちょっとまともじゃない、まともじゃなくても大丈夫と背中を押してくれるところがとても好きでした(私もまともじゃないからねっ!)
出典:Kakao TV
左から「悪質な書き込み拡散常習犯」「過度なおせっかい」「アルコール中毒」「女装癖」
う〇こを漏らし怒鳴り散らしていたフィオ。
とても好きになれそうにないフィオに最初にキュンとしたシーンは、女装する住民を通報しようとする婦人会のおばちゃんたちを「人になんの迷惑もかけていない」といさめるシーン。
女装した男は不審者だと言う婦人会のおばちゃんたちだって、みんなどこか変で。
イカレたやつに見えるフィオとミンギョンの方がまともなのかもしれない。
「サイコだけど大丈夫」ならぬ「イカレてるけど大丈夫」
「大丈夫、愛だ」「サイコだけど大丈夫」などの私の大好きなドラマたちに通じるテーマで、「このエリアのクレイジーX」もやっぱり好きな私はたぶんきっと、ちゃんとしてなくても大丈夫って言ってほしいんだろうな~と思います。(全然ちゃんとしてないくせに)
重くなりがちなテーマを軽く明るく仕上げていて、トイレネタはともかく笑えるシーンが満載!フィオとミンギョンの特訓、レオンのオマージュ、チョンウのキレ顔で次回に続くなどなど。
映画の中のウォンビンがチョンウに変わるところはじわじわくるものがあり。
本人たちがこんだけ笑ってるのも癒されるww
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WEBドラマらしい雰囲気と芯のある脚本で、とてもいいドラマだったと思います!
原題に比べて、邦題がおしゃれで都会風な感じになっちゃったのがちょっと残念。もっと人間くさい方が好みだった…
カタカナが並ぶと覚えられないんだよな(小声)