景福宮に行きたい

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삼각김밥은 경복궁에 가고싶다

韓国ドラマ「ボラ!デボラ〜恋にはいつでも本気〜」感想

恋愛に関するコラムを執筆している恋愛マスターが恋に破れ、傷つき、どん底から自分を再生させていく自分復活ラブコメ。

明るく元気になれて、なんだか前向きになれる良質ラブコメ♡
オススメです!


出典:ENA

作品情報

原題 보라! 데보라(ボラ!デボラ)
2023.4.12〜5.25
放送局 : ENA

演出・脚本

演出:イ・テゴン
脚本:アギョン
「このエリアのクレイジーX」の演出×脚本のコンビ

キャスト

ユ・インナ / ヨン・ボラ(デボラ)役
『イニョン王妃の男』『星から来たあなた』『トッケビ』『真心が届く』 『スノードロップ』

ユン・ヒョンミン / イ・スヒョク役
愛の迷宮-トンネル-』『愛しのホロ』『あいつがそいつだ』

あらすじ

恋愛には戦略が必要と考える”恋愛コーチ”こと恋愛系インフルエンサーのボラと、恋愛は相手を思う気持ちが大事と考える恋愛理想主義者のスヒョク。
正反対のふたりが恋愛書をつくることになり...


感想

たいへんご無沙汰しております(笑

気づけば5ヶ月も更新をサボっておりました。
なんとなく元気の出ない毎日…PCの前に座る気になれない数ヶ月でしたが(言い訳が長い)

Amazon Primedeで見られる「ボラ!デボラ〜恋にはいつでも本気〜」に元気をもらい、またこうして韓国ドラマの感想など書きたいと思って帰ってまいりました。

大好きな「このエリアのクレイジーX」の監督&脚本家コンビによるラブコメディ。共感とトキメキと元気をもらえて、適度なメッセージ性もあり、とても素敵なドラマでした。


好き度 ★★★★★
※この感想にはネタバレが含まれています。




出典:ENA





黒歴史の目撃者

主人公のボラは、恋愛コーチ「デボラ」として恋愛に関する書籍を執筆したり、ラジオで恋愛相談コーナーを展開するインフルエンサー。

恋愛に必要なのは戦術だと、恋愛のノウハウ語る恋愛の達人。


……聞くだけでもなんとなく友達になりたくない職業のお方な気がしますが。

そんなデボラが3年間交際した恋人の浮気現場を目撃したところから物語ははじまります。

他人の恋愛を舌鋒鋭く評論していたボラが、恋人の裏切りと別れにズタボロになるの。それも、もうこれ以上ないくらいのボロ雑巾に。

出典:ENA

自分の心をコントロールできずに派手にやらかして、社会的にも経済的に危機を迎えるボラ。

やらかしの10割がお酒のせいなので酒量さえコントロールできれば良い気もしますが、それがコントロールできれば苦労はしねぇってやつ。

酔って元カレの家をたずねるとか心当たりがありすぎて、我々視聴者の黒歴史を刺激してきます。


出典:ENA

この「酔ってむくんだ顔で浮気した元カレに復縁を迫る」というシーンがほんとに名シーンでして。

見てる人たちがそれぞれの黒歴史を刺激され、「やめろーーーー!そこで思いとどまれー!」と全力でデボラを止めるわけです。そして行くところまで行ってしまうボラに胸を痛めるわけ。

このズタボロになったボラを演じるユ・インナちゃんの演技が最高すぎて「友だちになりたくない女」から「友だちになりたい女」へ光の速さで昇格しました。


出典:ENA


これらのボラの黒歴史を目撃してしまうのが、編集者のイ・スヒョク(演 ユン・ヒョンミン)。

恋愛コーチを自称するボラへ反感を持ちながらも、傷ついたボラをなぐさめ、なにかと側にいてあげるスヒョクさん。酔っ払いの世話と新しい男のフリが主な仕事ですが、そうして過ごすうちに次第にふたりの心の距離も近づいていくというのがおおまかなストーリー。


出典:ENA

個人的に、イ・スヒョクを演じたユン・ヒョンミンさんに良い印象がなく、あまり期待もせずに見始めたのですが、今作でユン・ヒョンミンさんすっかり好きになってしまいました。

このドラマ、はじめは自称恋愛コーチで飲んだら大虎になるボラがややこしくてめんどくさいキャラクターに思えるのに、後半に向かっていくにつれて今度はスヒョクがめんどくさいキャラになっていくのがおもしろい。

さりげない優しさは見せても、愛を口にすることはできない。

もう同じ失敗はしないと決めても、やはり言葉にできないポエム男。


出典:ENA

行動で、視線で、全身で愛を語ってるのに、最後の言葉だけ口にできないってどういうこと…?っていう。

恋愛コーチをもってしても「この男ほんとうにむずかしい」と言わせる難解男児。

ユン・ヒョンミンさんの全身から「好き」が溢れ出てるような表情演技がとても素敵でした。


出典:ENA

誰も知りたくない情報ですが、私、イ・スヒョクみたいな小難しいことをごちゃごちゃ考える男が好みでして(ドラマの中の話)
そう意味でいうと「愛の温度」でヤン・セジョンの演じたオン・ジョンソンがイ・スヒョクに近いものを感じるので、イ・スヒョク好きの方はもし良かったら「愛の温度」見てみてください。

恋には真剣な方だから

このドラマの好きなところはたくさんあるんですが、そのひとつが、ボラが恋に傷ついて回復していく過程をとても肯定的に描いているところ。

例えば、「初対面の記憶が第一印象になるとしたら、最後の記憶は次に会うまでのその人の印象になる」といってボラが元カレとの別れをやり直そうとする場面。

(そりゃね… あれはひどかった…)

ボラは元カレとの対面のために勝負服を選んで挑みますが、そこに「元カレをやりこめたい」とか「元カレを後悔させてやる」というような復讐心はなく、あくまで自分が次のステップに進むために過去を整理するという姿勢がとても素敵。自分の恋への最後の礼儀っていうのかな。

そんなボラがかっこよくて、清々しくて。


出典:ENA

その道のりをスヒョクが伴走して、「負けたけどしっかり戦った」と褒めてくれて、ふたりの絆が深まっていく様子が丁寧にしっかり描かれているので、自然とふたりの新しい恋愛を応援してしまうのよ。

失恋の痛みを抱えたふたりが、今度はまちがえないように、同じまちがいを繰り返さないように、少しずつ少しずつ近づいていくのが、もうとんでもなくキュン…

カップルがくっついてからのイチャコラはそれほどいらないから、イチャコラに至るまでのあれこれでのたうちまわりたいというタイプの人間(私)には最高のドラマです。


出典:ENA

ラブコメとして単純におもしろいのはもちろん、それぞれのエピソードで周囲の人々(恋人だけでなく夫婦、家族、職場の同僚など)との向き合い方を描いていて、恋だけでなく、自分の周りにいてくれる人と真剣に向き合うことへのメッセージを感じます。

テンポの良い会話の中に記憶に残るユニークな台詞や、恋愛の本質について考えさせられる会話がたくさんあって。

世代的には、ふたりの関係を「モルダーとスカリー」「ディカプリオとケイト・ウィンスレット」に例えたのは、めちゃくちゃ熱い例えを出してくるなぁと心が震えました。(逆をいえば若い子たちにこのネタわかるんか?っていう心配が)


ボラのモノローグ(心の声)が執筆している自叙伝の下書きになっているところもおもしろく、そして、その書き溜めた自叙伝の下書きが最終回に良い仕事をするっていう展開もひじょうに憎い(大好き)。

結局スヒョクは最後まで「むずかしい男」のままだったけど、相手の気持ちがどうであれ自分の気持ちはスヒョクにむいていることを言葉にして書いたボラ。
そんなボラの「恋には真剣なほう」な姿勢がもうこのドラマを象徴してて最高。

結局人の心を動かすのは誰かの真剣な姿勢なんだよな〜
ラブコメを見た後とは思えないじんわり温かい気持ちになりました。

出典:ENA

のちに「ボラ!デボラ」に変更されましたが、ドラマ制作初期のタイトルは「연애에 진심인 편(恋には真剣なほう)」

日本語では、本気、本心、真剣、真心などと訳されることの多い「진심」ですが(同じくユ・インナ主演のドラマ「真心が届く」では真心と訳されています)真剣だけでは足らない、本気で、心からの本心、誠心誠意を尽くす気持ちがあらわれた言葉「진심」。
日本語では一言でぴったりあてはまる言葉のない深い気持ちがこめられた言葉だと思います。好きな韓国語のひとつ。


話が蛇の足ですみません…蛇足王…

サブカップルズの迷走

大好きなドラマなので「サブカップルも最高だったんだよね〜」って言いたいんだけど、サブカップルはちょっとなんだか迷走したといいますか…へぇ…そうなるんだ…な結末でした。


いちばん共感だったのはやはりボラ親友夫妻ですね。
夜のご予約はしらんけど、ずっと一緒にいたいタイプとひとりで過ごす時間が必要なタイプの夫妻の折り合いの付け方とかリアル&リアル。

ちなみに私はひとりで過ごす時間が必要なタイプ(聞いてない)


出典:ENA

ほしかったバッグを自分で買って、オッパが買ってくれた〜って一生自慢してる
パク・ソジンさんの愛おしさよ。


この展開望んでなかったNO1サブカップルは、チュ・サンウクさんが断るとみせかけて新入社員に手を出しちゃったカップルですね。


出典:ENA

そもそものところハン・サンジン役にチュ・サンウクさんはちょっと合ってない気がしました。よく言えば見たことのないチュ・サンウクさんを見れるともいえるけど、自由奔放な恋愛を楽しむ軽薄な出版社代表…チュ・サンウクから軽薄な感じが一ミリも感じられないんだわ。還魂のイ・ジェウク父の時のような眉間にしわ寄せた表情でいてほしい、チュ・サンウクさんには。

ほんとに申し訳ないのですが、ハン・サンジンを見るたびにチョン・ソクホさんが脳裏に浮かんでしまい…チョン・ソクホさんのイメージなんだよな。ハン・サンジン。

↓ ↓ ↓ チョン・ソクホさん ↓ ↓ ↓
(同時期に見ていた「愛だと言って」のせいかもしれない。)


出典:SBS

それでも、新入社員の若い女の子から好意をもたれても、大人として対応するところには好感をもっていたのに。結局つきあうんかーーーーい!っていうね。

サンジンさんが離婚の過去から出発してやり直す姿を描こうとしたのは理解できるし、年の差恋愛は違法ではないので、これは私の価値観の問題です。

ウリが「私はドラマよりも本が好きで、シンデレラよりも赤毛のアンが好きです」と話すシーンは好き。


そして、どうでも良いカップル(正直者でごめん)
このふたり定職にも就いていないのに、どうやって子供育てていくつもりなんだろうという感想しかない。


出典:ENA

人との向き合い方を丁寧に描いたドラマだったのに、生まれてくる子供と家族の将来について経済的な面からももうちょっと丁寧に向き合ってもらわないと困るわ。

一目惚れ男の彼が加藤諒さんに見えてしょうがなくて、軽い気持ちでツイートしたらアイドルのお方だったみたいで冷や汗を書きました。


これからはちょっと調べてから発言しようと思います。



そして、最後になりましたが、これだけは言いたい。

「レジェンド OF クズ男」の道を着々と歩んでいるチャンソンさんの安定した演技っぷり!!!安心感あるwww




出典:ENA

演技ドルでここまでクズ男専門みたいになっちゃうのって逆にすごいわ。
伝説を築きつつあるよ、チャンソンさん。
(SUPER JUNIORのシウォンも三枚方面の役が多いけどチャンソンとは方向性が完全にちがう)

浮気相手との車内キスを目撃され、唇に口紅のあとをつけたまま「誤解だ」と言い張るチャンソンさんの職人芸しびれるwwww

クズだと思いきや実はめちゃ良い奴の役、そろそろやらせてあげてほしい。




韓国ドラマの感想ひさしぶりに書いたけど、書くのやっぱり楽しい🍙

またマイペースに書いていくので、よろしければ通勤のお供、お昼ごはんのお供に読んでいただけるとうれしいです。




OST

■ Dailog / Again  ■

この曲を聴くと誰かを想う温かい気持ちがわぁ〜と優しく広がっていくような気持ちになる。大好きな曲。

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