「ヴィンチェンツォ」大人気ですね~
最終話が配信開始されてからそろそろ1か月たとうとしているのに、いまだにNetflixTOP10の1位と2位を行ったり来たりしています。
ソン・ジュンギ大好きっ子の私ももちろん早々に視聴。
視聴から1か月ほど経ってしまいましたが、感想を書いていきたいと思います。
出典:tvN
作品情報
原題 빈센조 (ヴィンチェンツォ)
2021.2.20~2021.5.2
tvN
演出
キム・ヒウォン
『王になった男』
脚本
パク・ジェボム
『熱血司祭』
キャスト
ソン・ジュンギ
『トキメキ☆成均館スキャンダル』『根の深い木』『わたしのオオカミ少年』『優しい男』『太陽の末裔Love Under The Sun』『スペース・スウィーパーズ』『アスダル年代記』
チョン・ヨビン
『楽園の夜』『恋愛体質~30歳になれば大丈夫』『シークレット・ジョブ』
オク・テギョン(2PM)
『ドリームハイ』『君を守りたい~SAVE ME~』『ザ・ゲーム〜午前0時:愛の鎮魂歌(レクイエム)〜』
あらすじ
イタリアマフィアの顧問弁護士”コンシリエーリ”を務める韓国系イタリア人、ヴィンチェンツォ・カサノが、ソウルにある雑居ビル「クムガプラザ」に隠された金塊を手に入れるため韓国に帰国。
地域一帯を開発するために雑居ビルからの立ち退きを迫るバベルグループと対立したことから、巨悪と戦うことになる。
感想(ネタバレ)
Netflixでは1か月間つねにTOP10入り。
ヴィンチェンツォロスを叫ぶ人多数ですが。
わたくし…
まことに残念ながら…
ハマれなかった…クッ…(悔し涙)
決しておもしろくなかったわけではないのですが、世間の人気ほどはハマれなかった。わたしとは合わなかったです。
かなり玄人好みの作品だと思うのですが、そこまで人気なのが正直不思議。
「ヴィンチェンツォ」大好きな方にはおもしろくないレビューかと思いますが、よろしければおつきあいください。
好き度🍙★★★☆☆
※ネタバレあります!
戯曲すぎる脚本となんでもありの世界観
イタリアマフィアの顧問弁護士ヴィンチェンツォ・カサノが、汚金と利権にまみれた巨大組織と対峙するドラマ「ヴィンチェンツォ」
悪のやり方を持って悪を成敗するこのドラマ。
いわゆる登場人物の心情を丁寧に描いた系のドラマとは真逆にある劇場型のドラマで、まるで演劇を見ているような気持ちになるドラマでした。
悪の組織バベルグループはマフィアが成敗するほどの悪党なので超悪党なんだけど、これがめちゃくちゃやばい組織で。
バベルグループ会長と思われていた人物は実は操り人形で、実質的な支配者はホン・チャヨン弁護士を仔犬的に慕っていた後輩だったという。
こいつがめちゃくちゃエキセントリックなサイコパス。
テギョン、今回の目がイッちゃってるやばい男の演技は良かった。
2PMはやはり目力が違う。
一般的に、指示だけ出して自分の手は汚さず高みの見物が悪者の定番だけど、バベルグループのサイコパスはエキセントリックサイコパスなので、御自らバッドで殴り殺しちゃったりしちゃうわけです(被害者もけっこうな権力者だから後始末大変だったよね)
殺し屋雇いまくるし、次々に人が死んでいくし。
利権を餌に司法立法あらゆる権力を取り込んでいくし、権力者たちはそれに嬉々として群がるし。
そしてとにかく人が死にまくる。
エキセントリックな悪党ぶりで、リアリティを捨てて「悪党とは」を煮詰めたような悪党。
対して、対峙する法律事務所「藁」のホン・チャヨン弁護士とヴィンチェンツォ・カサノの戦い方もなんでもあり。
工場を燃やすとかはいいんだけど、裁判をぶち壊すために蜂を忍び込ませる、カサノ家伝統の「豚の血をぶっかける」など、ショーのように悪党をやっつけます。
なんでもありの世界で『殺った殺られた』の応酬を楽しむドラマなんだけど、私はその世界観にうまく入り込むことができませんでした。
悪党に豚の血をかけてもスカッとしないというか。
ショー的に相手をやりこめてもスカッとしないというか。
リアリティのない世界観が合わなかった…
細かいところが気になっちゃって、例えばヤメ検弁護士のチェ・ミョンヒがどこまでもハンソクを守るのが理解できず、そんなこと気にしたらダメなドラマのなのはわかってるのに「そのサイコパスを守っておまえになんの得が???」という思っちゃってダメでした。
ヴィンチェンツォが「腹の膨れた猫」になって本来の残酷さを発揮していくあたりから急激にリアルになってきて、そのあたりからは前のめりになって視聴!
バディであるホン・チャヨン弁護士さえひるむほどの残酷さがグッとくる…(サイコパス?)
出典:tvN
単にソン・ジュンギの冷たいまなざしと白シャツに飛び散った血しぶきが好きという説もあり。
最後に、ワンプラスワンのワインにされちゃう悪党たちの伏線回収も完璧で、脚本もスマート。脚本の意図が最後まで綺麗にまとまっていて。
作品として目指しているところはよくわかるだけに、悪い奴じゃないけどなんとなくノリが合わない友達って感じのドラマでした。
笑いの感覚はそれぞれ
友人関係でも「同じところで笑えるか」というのは時間を過ごすうえでとても大切なことですが。
ドラマや映画の好みでも同じことが言えますね。
「ヴィンチェンツォ」はダークなルノワール感漂うドラマでありながら、半分くらいコメディが占めているという不思議なドラマ。
けっこうな割合をしめているそのコメディ部分が私の肌には合いませんでした。
厳しい言葉でいうと寒かった(ごめんなさい)
例えば、第1話。
イタリアマフィアなヴィンチェンツォはブドウ畑に火を放ち車を爆破させて出国。韓国に入国するなり追いはぎに合います。
出典:tvN
え?
なにこれ?
イタリアとのギャップがすごくてついていけない…
そして、なんやかんやしながらクムガプラザにたどりついたヴィンチェンツォを迎えたのは、くせが強いクムガプラザの住民たちでした。
追いはぎ→熱湯シャワー→スーツちんちくりんになる→インザーギ→エトセトラ…
突然コメディゾーンに突入して、次々に繰り出される笑いの大技。
熱湯シャワーは「ソン・ジュンギにそんなことさせる???笑」の一点で笑えましたが、そのほかは一体どういう気持ちで見たらいいのか、視聴姿勢に困りました。
住民たちのわちゃわちゃも寒いと思っちゃって。
笑いの好みってもう「合うか合わないか」それだけだから、いちど寒いと思っちゃったらもうどうしても寒く感じてしまい。
回を重ねるごとにパワーアップしていくただ者ではない住民たちに「くせが強いんじゃあ…」と大悟になるほかなす術なく。
笑いの好みが合わなかったせいで、住民たちとのチーム感がこのドラマのひとつの見どころであるはずなのに、いまいち乗り切れなかったのが悲しかったです。
また、他ドラマや映画のオマージュがふんだんに使われていて、韓国作品をたくさん見ているほど楽しく見れるのですが、これがまたオマージュを越えたぶちこみ方で。
特にパラサイトのイ・ソンギュンのモノマネとか、めちゃくちゃ似てて笑えるんだけど。
もうこれホン・チャヨンとヴィンチェンツォじゃなくて、チョン・ヨビンとソン・ジュンギがイ・ソンギュンのモノマネ見て笑っているだけやん…くせが強すぎるんじゃ…
あえて飄々としたなんでもありの世界観をつくっているのもわかるし、やろうとしていることは理解できるけど、私の好みではなかったです…
イ・ソンギュンのモノマネはめちゃ似てるんやけどな。
出典:tvN
とか言いながら、熱湯シャワーに爆笑し、感電祈祷に肩を震わせ、キム・ソンチョルの「テ・ホ♡」に二ヤつき、ク・ヨンハ降臨(成均館スキャンダル)に床をたたいて喜んだ私。
出典:tvN
振り返るとけっこう楽しんでたかも。
ノリが合わない友達とも、時には一緒に笑える時もあるよねっていうね!!!
ソン・ジュンギはやはり強かった
おもしろいドラマをたくさん見たいので、自分とは合わないと思ったらそこそこで脱落するのが私の視聴スタイルなのですが。
ヴィンチェンツォはちょっと合わないな~と思いながらも最後まで完走したのは、やはりソン・ジュンギの美しさのせい。
出典:tvN
美しい…
出典:tvN
尊い…
出典:tvN
かわいい…
ホン・チャヨン弁護士役のチョン・ヨビンとの相性もよくて、ふたりのファッションも癒しでした!
出典:tvN
はじめチョン・ヨビンの演技がうるさくてどうしようかと思ったけど、回を重ねるごとに飄々としたヴィンチェンツォとのコンビがいい感じになってきて、
喜怒哀楽の激しいチャヨンに振り回されながらもまんざらではないヴィンチェンツォが非常に良い。
このふたりの関係が、仲間であり同志でありバディであり、男女の香りもあり、最後まで名前のつけられない曖昧な関係なのがなんとも良かった。
もう会えないだろうと思いながらも「島に招待する」とか言って別れるふたりの最後な…
クァク・ドンヨンがまた良い役やってる
好きなキャラについて語る恒例のコーナー
(そんなものはない)
ヴィンチェンツォで唯一共感できた人物
バベルグループの操り人形こと
チャン・ハンソ
出典:tvN
クァク・ドンヨンがこんなに愛すべきオバカを見事に演じられるようになるなんて、雲が描いた月明りのころは想像もしてなかった。
ハンソがヒョン!ヒョン!ってヴィンチェンツォに懐いて、与えてもらえなかった兄弟の愛情を求めるあたり、いちばんの胸キュンポイントでした。
マッコリでかわす義兄弟の契り(?)
懐いてきた野良犬をしぶしぶながらかわいがるヴィンチェンツォ。
臆病で利発ではないハンソが、もしかしてヴィンチェンツォを裏切っちゃうんじゃないかと思わせる演出からの、ハンソの最期のシーンがたまらん。
出典:tvN
クァク・ドンヨンがテギョンとあまり年齢が離れてないように見えたのですが。
クァク・ドンヨン1997年3月19日生まれの24歳(2021.6現在)でテギョンの8歳年下。ちなみにソン・ジュンギとは11歳差。
クァク・ドンヨンさん「ヴィンチェンツォ」や「サイコだけど大丈夫」のようなぶっとんだ役もいいけど、次は「私のIDは江南美人」の時のような落ち着いた役が見てみたいです。
最後に
ドラマの感想は自分の感じたことを大切にしたいと思いながらも、大人気のドラマが自分に合わなかった時には置いて行かれたようななんとも切ない気持ちになりますが。
ヴィンチェンツォも大好きなソン・ジュンギの最新作でありながらあまりハマれずさみしかったです(うさぎ体質)
その時の体調や環境、タイミングによって感じ方も変わってくるので、いつかまた見た時には楽しく観れたらいいなと思います!!!