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韓国ドラマ「五月の青春」感想

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出典:KBS

作品情報

原題 오월 의 청춘(五月の青春)
2021.5.3~2021.6.8
KBS

演出・脚本

演出:ソン・ミニョプ『ドクタープリズナー』
脚本:イ・ガン

キャスト

イ・ドヒョン / ファン・ヒテ役
30だけど17です』『ホテルデルーナ』『Sweet Home~俺と世界の絶望~』『18アゲイン』『メランコリア』

コ・ミンシ / キム・ミョンヒ役
恋するアプリ Love Alarm』『Sweet Home~俺と世界の絶望~』『智異山』

クム・セロク / イ・サンイ / オ・マンソクetc

あらすじ

2021年のある日、光州の外郭道路工事現場で身元不明の遺骨が発掘される。そしてそれから41年前の1980年春のソウル。大学街に渦巻く民主化の熱気とは関係なく、カネの準備で忙しい医大生のヒテは「家に帰りたい」という誰かの一言を聞き、故郷の光州に向かう。そこでヒテは、スリョンの代打としてフラれるためにお見合いにやってきたミョンヒと出会い…。
五月の青春(原題)|衛星劇場より

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感想

2021年、光州のとある工事現場から発見された身元不明の遺体。
光州事件の犠牲者と見られる遺体と共に発見された古びた懐中時計のニュースを見て息をのむ初老の男性、彼は一体何者なのか____

韓国で1980年5月に起きた光州民主化運動を背景に、運命のように惹かれ合った医大生ヒテと看護師ミョンヒの恋愛を軸に、辛い時代にそれぞれの信念を生きた若者たちの青春を描いたドラマ。

1980年のレトロの雰囲気と冷たい時代の空気のなか、前半はヒテとミョンヒのラブストーリーをメインに、後半は激化していく軍の暴走と闘う若者たちの姿を描いています。

光州事件を描いた作品ということで覚悟をして観たのですが。

予想以上にラブストーリーがメイン。
ヒューマンドラマよりも正統派ラブストーリーが好きな人に好まれるドラマだと思います。

好き度🍙★★★☆☆

※前半はネタバレなし。
※最後はネタバレあり感想です。


レトロな正統派ラブストーリー

物語は2021年、とある工事現場から光州事件の犠牲者と思われる遺体が発見されたところからはじまります。遺体のかたわらで発見された懐中時計。
遺体発見のニュースに涙する浮浪者風の男性は誰なのか____

ミステリーを感じさせるはじまりですが、序盤は想像以上にラブストーリーメインで進みます。

私は正統派ラブストーリーがちょっと苦手。

涙の告白、熱く見つめ合うふたり、手をつないで笑顔で駆け出すふたり(スローモーション)的な場面は恥ずかしくて見ていられないタイプなのですが。

「五月の青春」

ばっちりそんなタイプのドラマだった☆

ひとり照れてしまい、画面の前でグフグフ照れ笑いしながら見ていてさぞ気持ち悪かったことでしょう。

家族が寝しずまってから見て正解だった。

この後にふたりに待ち受けているであろう悲劇を想うと甘く切ないラブシーンさえ号泣必至の場面のはずなのに。

1980年のレトロな雰囲気が中和してくれなかったら、照死寸前でした。

光州事件の物語だと思って見ると予想以上にラブ要素強めなので、甘いのが苦手な方はご注意ください。


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出典:KBS

主演のコ・ミンシとイ・ドヒョンは私の大好きなドラマ「Sweet Home ~俺と世界の絶望~」で兄妹を演じていたふたり。

たぶんSweetHomeで兄妹だったふたりのツンデレな関係性が大好きすぎたせいだと思うんですが。

このふたりが最後までどうしても恋人同士に見えず(個人の感想です)
確実に相性がいいふたりだと思うんだけど…なぜ…

(本編より先にメイキング見すぎたのも原因かも。このふたり本当に仲の良い友達っぽくて甘い雰囲気がまったくない)

それぞれ複雑な家庭環境で育った主人公ふたりですが、キャラクターはほぼ正反対。

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出典:KBS

ファン・ヒテ(演:イ・ドヒョン)

ソウル大学医学部を首席で入学した秀才だが、ある事をきっかけに医者になる道をためらっている。保安部隊対共捜査課長を父に持つ。父の束縛や未婚の母の子への偏見と闘いながら生きているが、それを感じさせない明るく飄々とした性格。現実的で合理的な考え方。

ビジュアルの話からでたいへん恐縮ですが

イ・ドヒョンが80年代ファッション似合いすぎててやばい。
好みに刺さりすぎて萌え死にそう。

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出典:KBS

オープンカーもサングラスも丁寧にズボンインされたシャツも。

何もかもカッコイイ。

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出典:KBS

まくったシャツの袖もカッコイイ。
レトロな時計似合ってる。

好き
(軽率に好きになります)


顔良し、スタイル良しのソウル医大生が「ミョンヒし好き好き~」と追いかけまわすのが前半のお話(言い方)

イ・ドヒョン「SweetHome」でも医大生役だったけど、なんかわかる。
医大生っぽい雰囲気ある(医大生の雰囲気とは)

イ・ドヒョンの演技は自然で安定してるから、安心して見ていられます。


追いかけまわされるのは

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出典:KBS

キム・ミョンヒ(演:コ・ミンシ)

光州平和病院の緊急治療室で働く看護師。過去の傷を心に閉じ込め、自分を傷つけるかのようにがむしゃらに働いている。強い相手に迎合せず、手際よく治療する姿はヒテいわく”軍鶏”。留学を夢見ている。

「恋するアプリ」「SweetHome」など、気が強くて生意気な女の子役を独特なせりふまわしの演技で演じてきたコ・ミンシ。

視聴前は1980年の雰囲気にコ・ミンシ合わないんじゃないかなどと思っていたんですが、自分を押し殺す生き方をしていても隠しきれない芯の強さがコ・ミンシのもつ魅力に合っていてとても良かった。

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出典:KBS

それにしても顔色悪すぎ。

前半は自己犠牲的で悲劇のヒロインな感じがやや苦手だったのですが、後半にむかってヒテのいう”軍鶏”のような面が表現されていて好きになってきました。

ミョンヒの方言が聞き取りにくくて苦労したけど、方言って怒ってる時の感情表現が豊かになる気がしますね。

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出典:KBS

それにしても顔色が(2回目)


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出典:KBS

(ごめん…やっぱり仲の良い兄妹に見える…)


運命的な恋に落ちたふたりの背景では学生運動が活発に行われ、学生と保安隊との衝突が激化していく様子がみえます。

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出典:KBS

ミョンヒの高校時代からの友人スリョン(クム・セロク)は有力な資産家の娘でありながら民主化運動に傾倒し「法学部のジャンヌダルク」と呼ばれています。

今作、スリョンの描き方がすごくもったいなかった…
スリョンをもっと広く深く描いてたら時代背景を意識した意味のあるドラマになったと思うのですが、前半はふたりの恋の障害になったイメージしか残ってない…

資産家の娘でありながら労働者の権利を叫ぶ偽善者、温室で育ったお嬢様のお遊びだと仲間から色眼鏡で見られ、危険な目に合っても、それでも学生運動をやめないスリョン。

なにがスリョンをそこまでさせるのかよくわからず。

苦悩しながらも民主化運動に想いをぶつけるスリョンをきちんと描くことで、当時の光州の若者たちの姿を表現してほしかったなぁと思うなど。(光州事件のドラマだと思って見てしまったから余計にそう感じたのかも)

1980年5月の光州

「五月の青春」の舞台となった1980年5月の光州には悲劇的な歴史があります。

1980年5月18日
光州市でクーデターに抗議する学生デモと戒厳軍の衝突から自然発生的にはじまった抗争が次第にエスカレート。激しくなる鎮圧活動に対し、市民はバスやタクシーを倒してバリケードを築き、角材や鉄パイプ、火炎瓶などで応戦した。
最終的に軍が市民への一斉射撃が始まると、市民は武器庫を奪取して武装市民と軍との間で銃撃戦に発展し多数の死者がでた。

参考:光州事件 - Wikipedia

軍と国民の銃撃戦という衝撃的な事件。
1980年という「歴史」と片づけてしまうにはあまりにも最近に起きた出来事というのが、より衝撃的。

日本人の私が『1945年8月6日の広島』『2011年3月11日の岩手』と聞くと自然とその日の悲しい出来事が浮かんでくると同じように、韓国の方たちには『1980年の光州』もそういった意味のある日なのではないかと思います。

このドラマはその歴史的事実を知って見るのと知らずに見るのでは受け取るものが違いすぎるので、「五月の青春」を見る前にぜひ光州民主化運動をを題材にした映画「光州5.18」や「タクシー運転手 約束は海を越えて」などを先に見てみてください。

私も「五月の青春」視聴前にチャン・フン監督の「タクシー運転手」を見たのですが、ソン・ガンホ先生ワールド全開。実話を元にした映画で、悲劇的な事件をコミカルにハートウォーミングに描いた余韻の残る良作でした。

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出典:택시운전사

なお、韓国では「光州民主化運動」と呼ばれることが多いようですが、当ブログでは日本で使われている呼称、光州事件を使用することにします。


五月の青春とは

「五月の青春」の原作は「오월 의 달리기」(五月のかけっこ)という小説(キム・ヘウォン著)で、ミョンヒの弟にあたる小学生ミョンスの目を通してみた光州事件を描いた児童書。

それを男女のラブストーリーを軸にいた物語に脚本し直したのが今作だとのこと。

秀逸だと感じだのが「五月の青春」というタイトル。

光州事件の中をそれぞれの信念を守って生きようとした人々の行動や感情、信念が「青春」という言葉にを込められているようでグッときます。

イ・ドヒョンもインタビューで「青春に年齢は関係ない」って言ってた。
(イ・ドヒョンまじで良いこと言う)

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出典:KBS

後半に活きてくるスリョン兄妹の存在。
イ・サンイ演じるスリョンの兄イ・スチャンがすごく「青春」だった…

けが人の運ばれてくる病院で必死の治療にあたるヒテたちだけでなく、光州で時代の渦に巻き込まれていく人々、自分の意思にかかわらず軍人としての立場に立たざるを得なかった人、光州の外から大切な人を想う人。

それぞれの立場からの光州を描いています。

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出典:KBS

良い男が血にまみれるのが好きなのでこちらのイ・ドヒョン氏を

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出典:KBS

愛の不時着の悪役でもおなじみのオ・マンソクさんが権力に執着するヒテの父親役として悪役を演じて作品に緊張感を与えています。

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出典:KBS

オ・マンソクさんの悪人の安定感よ。
素はすごいお茶目な人なのに作品になると安定の極悪人になるのすごい。




最後に(ネタバレ)

※ここからはネタバレがありますのでご注意ください






「五月の青春」物語の最初に遺体が発見されていて、誰かが死ぬことが予言されていたので、はじめからハードな展開になるには予想していたんですが。



ヒテさんがいない5月は嫌だって言ってたのに…

ミョンヒがいない5月だって嫌だよ(泣)



私はハッピーエンドじゃなくてバッドエンドでも作品として完成されていたら、全然受け入れられる派なんですが。


弟、なんであそこで出て行っちゃった????
お父さんがあんなことになって、少しは学習してーーーーー
というやや無理のある弟の行動。



そして、遺体と共に発見された懐中時計がヒテからミョンヒへ、ミョンヒから弟へと手渡されていく描写が

「さて、死ぬのは誰でしょ~か!」

と視聴者に気を持たせているようでやや興ざめでした。

ドラマって制作側の狙いが見えるとほんとにしらける。


少し前までの韓国ドラマには、最後は絶対にハッピーエンドになるという不文律がありました。

死ぬ直前に臓器提供者があらわれたり、死んだ人が生き返ったり、ハッピーエンドのためにはなんでもやるという時代が過去にはありました。

そんな時代も今は昔。
今はバッドエンドもあり得る時代になり、死ぬときは死ぬ(日本ドラマ「空から降る一億の星」が韓国でリメイクされた時の衝撃を思い出す)

このドラマは光州事件で犠牲になった人と残された人の物語だと思うので、変に濁さない結末にしてくれて良かったと思います。

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出典:KBS

イ・ドヒョンの41年後をチェ・ウォニョンが演じていて、ヒテの継母を演じたシム・イヨンと夫婦共演してたのも熱かった…!
(実際に共演したシーンはないけど、奥さんが義理の母親役というw)


★は3にしました。
評判のいい作品なのにハマらなかった敗因は
・恋愛パートが照れちゃった
・コミンシとイドヒョンは兄妹
・光州事件がメインだと思ってた


現世で側にいられなかったヒテとミョンヒは無事に転生して恋愛してるみたい。

酔い覚ましの広告。
Kエンタメのこういう遊び心好き♡

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